コロキウム

今日のコロキウムはポール・トッドさん。名前聞いたことなかったがむちゃくちゃクリアでよかった。いつもペンローズと一緒に議論してはるみたい(共著論文は一個しかないみたいだけど)。トークの後で1時間ぐらい議論した。
「インフレーションの枠組みだと、今日の話で言ってた、量子重力はワイルテンソルを自動的にちっちゃくするものでなければならないだろうっていうペンローズの議論、関係なくならね?」
という話からそもそも論に戻ってって

  • 「eternal inflation までいけばたしかにそのとおり(ただしもちろん宇宙項のファインチューニングは余分に仮定する必要あり)」という点と、
  • さらなるそもそも論「eternal inflation は anthropic principle ではない」という点と、
  • もっとさらなるそもそも論「eternal inflation は反証可能な科学か?」「Yes」という点でも

双方納得した。(自分のアイデアでもないのになに売り込んでんだかw)
反証ってのは、とりあえず eternal inflation してるおもちゃの系を用意して、その系で inflate した後の領域から過去に測地線をさかのぼってった時にかならず特異点にあたる・あたらないというのは言えそう、という意味で。(特異点に当たる場合、量子重力がそれを正則化するだろうという逃げ道はいつでもあるが、そういう逃げ方を強制させることはできる、という事。)ロジャーと議論してみる、と言ってたので、これをやるかどうかは分からんが少なくともペンローズせんせいの頭にもこの線の考え方がインストールされる事にはなりそうだ。
なんかこういう風に自分がささやかでも世界に摂動を加えてる感じってのは生きてる感じがしていいね。ウェブ日記やブログを書く醍醐味と似ている。
ちなみに今検索してみたら最近でもポツポツと面白そうな論文が出てますな(参照)。あたしの知識はグース先生のレビュー(長いの短いの)で止まっているのでちょっといくつか気晴らしタイムに読んでみようかと思う。