日本勝ったの?!

 シリーズ続き〔
 三度目の正直ですな。うれしいような韓国に申し訳ないようなw
 韓国メディアは文法がほとんど一緒なだけあって日本語版も用意してくれているのが嬉しい。→【WBCコラム】世にも珍しい試合方式で消えた優勝

 三球三振させられなかったせいで、すごすごと帰り支度をしなければならないのか。2ストライク1ボールならまだ投手が優位だ。それなのにサヨナラホームランを打たれたかのような気分なのが悔しい。

 哀惜の念に耐えられない。いや、張り裂けんばかりの憤りさえ感じる。6試合勝って、たった一度負けただけなのに。口惜しさを胸にしまい、WBC韓国代表チームが見せてくれたこれまでの苦労に拍手を送りたい。

 アメリカが主導した今回のWBC。世にも珍しい試合方式のせいで韓国は最大の犠牲者となった。韓国は1次リーグ(アジアラウンド)で日本に3−2で勝った。ベスト8に入った2次リーグでもう一度戦って2−1で勝利した。韓国の2次リーグ成績は3勝。1組の1位として準決勝に進出。一方、日本は1勝2敗で脱落が予想されたが、2次リーグ最終日に米国がメキシコに敗れる波乱があり最小失点の原則によって漁利の利で準決勝に上がった。

 ほとんどすべての国際大会では組を2つに分けて進行し、ベスト4が決まったらクロストーナメントで決勝に進む2チームを決める。しかし大会初めての年に無理に欲を出した米国は、同じ組のチーム同士を再び準決勝で戦わせる日程を採択した。2組の最強チーム、ドミニカ共和国に決勝戦まで会わなくて済むように、という意図以外に説明のしようがない。

 その結果、韓国は準決勝で日本とまた戦うことになった。1つの大会で同じチームと三度も戦うという、失笑するしかないようなことになった。すでに二度勝った韓国だ。もう一度勝ってあたりまえ、負ければ脱落という滑稽なプレッシャーを抱えて三度目の対日本戦を行った代表チーム。

 あぁ〜んもっと言ってもっと言って!!
 (;´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア

 でもま、

 日本は韓国よりプロ野球の歴史が50年も長い。高校だけで約4700チームもある日本と、50前後しかない韓国では、基本的な資源からして相手にならない。だから客観的な戦力に優れた日本に二度連続で勝ったことさえも奇跡のような出来事だった。

 奇跡は三度はやって来なかった。2次リーグ以後2勝2敗の日本が決勝でキューバと試合をすることになった。欲をかいた米国はベスト4にも上がれずに恥をかき、大会最大の波乱を巻き起こして興行を引っ張った韓国は悔しいことに帰り仕度をする羽目になった。WBCの制度的な矛盾が韓国野球100年史の快挙の足を引っ張ったことになる。それでも幸いなことは、韓国野球の隠れた底力は今や全世界から認められたのだ。

これはそうだな。もう過去のイチローのような舐めたことをいう奴は二度と出ないでしょう。


 チャンホ兄さんのインタヴューは人間的に立派だと思った。→【WBC】朴賛浩「国家の指示と思いベストを尽くした」

残念な幕切れでしたが。  

 「残念というより、すべての選手たち、コーチングスタッフと一緒に期待以上の成果を上げたことに意義があると思う。今日の試合で日本代表チームに負けたことは惜しいが、その反面、韓国代表は日本に2勝を上げており、6勝1敗という成績を残した。6勝を上げたチームは韓国しかいないのではないか。悔いはない。長い間準備しただけあって、良い結果を出せたし、皆の力で手にした結果という点から満足している」


今回の大会に特別な意味があるとすれば?

 「韓国がWBCベスト4入りを果たし、韓国野球の力を世界にアピールした点で、大きな意義を持つと思う。とりわけ、メジャーの球場で後輩たちがよい成績を上げたという点で、プロ野球選手を目指す韓国の球児にとっては、世界の野球がさらに身近になるきっかけになったと思う」


久々の代表チーム復帰で感じたことは? 

 「後輩たちがベストを尽くす姿を見せてくれた。とりわけ、李鍾範(イ・ジョンボム)、具台晟ク・デソン)先輩をはじめとする先輩たちが、献身的にチームをリードする姿を目にして、昔韓国でやっていた頃を思い出した」


抑えと先発両方ですばらしい活躍を見せたが。 

 「投手コーチの宣銅烈ソン・ドンヨルサムスン監督は、子ども時代に野球に対する憧れを育ませたくれた方。初めて同じチームで師として仰ぐことになった上、弟子になる光栄な機会をいただいた。金寅植キム・インシク)監督はすばらしい人格の持ち主だ。こうした方々のおかげで、任務に関係なく最善を尽くすと考えた。国家の指示だと思った」


韓国がWBCベスト4入りを果たしたことをどのように評価するか? 

 「2002年、海外でサッカーW杯を見て愛国心を感じた。今大会がそのような雰囲気を作ってくれることを望んでいたが、韓国がベスト4入りを果たし、歴史に画期をなしたと思う。自分にもつらい時期があったが、これからは海外に在住する韓国人、選手、国民に希望を与え、いい思い出を与えるべく、残りの野球人生を最善を尽くして臨みたい」


 で、アメリカでは早くもWBCはなかったことになってるみたいですなwww 第1回しか行われなかった幻の大会として永久に黒歴史化されるのでしょうかw →太田述正コラム#1131(2006.3.18)<WBC・米韓での反響(その1)>

2 無関心を装う米国メディア

 いくら米国では、現在野球はオフシーズンで、しかもWBCそのものに対する関心が盛り上がっていなかったとはいえ、米国・WBCの決勝トーナメント進出ならず、という記事の見出しが、必ずや米国の主要メディアの電子版の一面にデカデカと載るだろうと思ったところ、あにはからんやワシントンポストとニューヨークタイムスで、目を皿のようにして探してようやく見つけられるくらい目立たないところに、しかも小さな文字で見出しが出ていただけでした。ロサンゼルスタイムスでは一面には何もなく、電子版全体を探し回ってようやく記事を発見しました(注1)。クリスチャンサイエンスモニター
に至っては、(週末にはそもそも記事を更新していなかったかもしれませんが)完全無視です。それにしても、CNNまで完全無視であったのには驚きました(注2)。

 (注2)英国民はもともと野球には全く関心がないので、英国紙のガーディアンやファイナンシャルタイムスの電子版が完全無視したのは必ずしも不思議ではないが、英BBCの電子版は、「野球を生み出し、世界のトップ・プレヤーの大部分を輩出し、野球を国民的娯楽と考えている米国にとって、これは大変な衝撃だ」と報道したhttp://news.bbc.co.uk/sport2/hi/other_sports/baseball/4816000.stm。3月18日アクセス(以下、別記するまで同じ))。国際メディアとしての自覚のあらわれだろう。米CNNの完全無視は、国際メディアとしての責任と自覚を放棄したものだ、と言いたくなる。

 この人の記事「3 好感が持てる朝鮮日報の報道」とか次のページの「5 韓国での反響に関して思うこと」もオススメ。だんだん日韓が「普通の隣国」になっていくといいな、と思います(僕は韓国ファン)。


 で、もうこうなったら韓国のためにも次のキューバに勝って世界一だ!