疲れた

いちおうトークは終わった。どうもここ数年ショートトークでうまくいったという満足感を得られたことがない。セミナーはだいたいいつでもいい反応が得られるようになってきたんだけど。客はいっぱい来てくれたが反応ももひとつ低調であった。どうもいつも内容の削りが足りない。わかっていてもつい盛り込んでしまう。とくにイントロが長過ぎた。英語カタコトなので盛り込みすぎると死ぬ。
 まいいや。疲れたので今日はヒョンドと晩飯くって早めに帰ってきた。ってトークは一昨日だけど。脱力して眺めるハワイの日本語テレビで、サムとアンジェラが色んな観光客向けツアーに参加する番組がユルくてなんかいい。サムは白人だがわりと上手な日本語。駄洒落。というか日系人のアンジェラがかわいい。癒し系。ユルかわい番組(?)
 初日日曜の昼と今日の夜行ったのがハワイラヴのクラミツさん(理研の秘書さん)御推奨の Duke's。美味&海が見えるオープンテラスで雰囲気も◎。今日はハロウィーンだそうで店員も客も仮装してて愉快だった。一番おもろかったのが、肌色のぴったりしたニットを着て裸っぽくして腰まわりに黒い箱を被せててそれに censored と書いてあったおねーちゃん。つーか店でたら通り中仮装民でいっぱい。
 昨日の夜はレセプションパーティでキングマン&のぶちんと飲んだのち北大軍団に乱入。秘書のハトウさん(パワフル!)がハワイ出身ということで案内してくれたモアナ・サーフライダーホテルのバーが白砂の波打ち際から数メートルというロケーションで、建築もよく最高であった。
 ところでオープニングの日本人のおじさんのトークは僕が今まで聞いたオープニングの中でも内容プレゼンテーションともにぶっちぎりの最低であった。こんなでかい(=とりとめのない)会議のオープニングで、いったいどんな話をするんだろうと興味を持って聞きにきたのに、日本の代表がこんなうんこみたいなやる気のないしかも礼を失した話*1をするのを聞かされて、同じ日本人として恥ずかしかった。ものすごい恥だよ恥。次に話したアメリカンはちゃんとまともにはなせてたのに。
 「あのトーク最低でしたよね」と色んな人と話をしたが、YKWさんから「物理屋じゃなくて事務の人だよ」と聞いて「そうか事務の人じゃしょうがないな、何十年も日本の組織に埋没して、自分の頭で考えて自分の言葉で話すということをディスカレッジされ続けると、ああいう風になってしまうんだな、気の毒に。むしろそんな人にトークをさせた奴が馬鹿なんだな、あの人には罪はない」と同情的になってたのだが、昨日の夜KWMTさんに「いやあの人物理屋だよ」と聞いてまた怒りが蘇ってきた。坂東さんが話すのを動画で録画して流した方が100倍マシだった。前半なんて画面に坂東さんの文章映して(しかも途中で切れてる)棒読みするだけなんだもん。
 いくら下士官は有能でも、無能な人間が上に出世していくのを排除できない、というのは第二次大戦の敗戦にも関わらず払拭できない日本の病弊ですよね。アメリカでああいうのがトップクラスにいるという事はまずない。


*1:「坂東教授は忙しくて出席できない」「大きな会議のオープニングで話すのは大変だが私が重荷を引き受けることになった」とか日本語では謙譲のつもりなのかもしれないが、英語でそれを言ったらどんなに失礼か分からんのかね。あと「ヴェトナム戦争のころ日米合同会議をしたときに日本からボイコットすべきという話が出たが久保リョウゴが『政治と物理は別だ』と言って断行した。今もアメリカはうまくいってないけどその精神が大事だ」とかいう話って、今のアメリカがおかれてる立場(世界中から嫌われて大学人はみんなブッシュの事を恥ずかしく思ってる)に対してあまりにも無神経じゃないすかね。自分の言葉で「あえてそれでもこれを言いたいんだ」と強く思っていうならそれでもいいんだけど、そうじゃなくて単にどんなにセンシティヴな問題なのか分かってなくて無神経無教養なだけなのがなんとも救われない。“理系”と“文系”の分離というのは単に支配層に都合がよすぎるというだけではなく実にいろいろと深刻な問題なのだな、と思った。