かえるさんから

法治国家と、契約と、信頼と、普通じゃない私

欧州は、法治主義というか、契約社会というか、決めたことは揺るがさないってのは、なにごとにも信頼が置けてうらやましいなと思う。
日本では簡単には信頼できない人が増えているんで、うらやましい。
マニュアルやシステムは信頼できるが、人が信頼できなくなっている。

ドイツって欧州の中では「カッチリキッチリ生真面目」な印象だと思うけど、じっさい住むようになってみてそのあまりのいい加減さ、適当さに吃驚させられることしばしばであります、が(ドイツでこれなら他の欧州の国はいったいどんななんだ^^;;)、その反面、日本じゃ考えらんないぐらいとんでもなく融通がきく。
日本だと書類の日付を空欄にしとくとかありがちだけど、こっちじゃ別に多少期限を過ぎてても全然問題ないし、契約書とか書き間違えて手でぐじゃぐじゃっと直しても全然オッケー。役所に出す書類も別の紙にコピーしたのでも全然平気だし。なんか日本の事務の人にありがちな「書式を守ること」に対する病的なこだわりが全くなくて良い。
あと、前も書いたが電車乗り逃がして「このチケットは電車が決まってるから買い直さないとダメだ」と言われて「えええ」って悲しそうな顔したら何やらさらさらと書き込んでサインして「これでオッケー」と言われたり、最近のエピソードだと電車の中で車掌さんから切符買ったときにバーンカード(電車の料金が半額になる)で家族も割引になると思ったら「車内で買うと本人しか半額にならないのだ」と言われて「えええ」っていったら「3人分の切符でいいよ(半人分まけてやる)」といわれて吃驚したり。なんか現場の人の裁量権がものすごく大きくてなんでも交渉次第といったところがある。
あと市役所で住民登録するときに銀行口座を作らないといけなくて、銀行にいったら住民票がないと口座が作れないといわれたんだけど、事情を話したら「あとで住民票持ってきてね」といわれて口座を作ってくれたり。
なんというか、うまいエピソードがぱっとうかばないが、何事も、形式的にどう決まってるかじゃなくて、その規則は実際のとこなんのためにあるのか、の精神が優先されるかんじでスバラシイ。なんか日本と比べて「常識」が生きていてあんまりいちいち人を疑わないでいいようなかんじ。(これがアメリカとヨーロッパの違いなんでせうか、ってアメリカしらんけど。)
日韓ワールドカップの時は日本人のボランティアのあまりの官僚的硬直的な態度が大評判になったらしいが(つくばのガイジン同僚も文句をこぼしてたな)、欧州みたいな文化のとこから来たらそりゃーびっくりするだろうなとおもった。(韓国は逆によくも悪くもイイカゲンだからよりいっそう日本のアレさがひきたったことだろうw)
ただ、日本人の非人情さ、マニュアル好きって最近こうなってきたというよりは、昔ながらのもんだとあたしゃ思うけどね。子供の頃よんだ山本七平の本からは、旧日本軍の隠蔽体質、員数あわせ体質、帳簿さえあってれば体質を戦後も引き継がれた日本の病弊と見て、なんとかせねば、という切迫感のようなものを感じたし、大人になってから読んだ藤原ていの「流れる星は生きている」なんかからも「あー日本人ってかわってねーなー」と思った。
(もちろん日本の「こういうの」は同時に美点でもあると思うけど、ヤな面がでるとヤだよね。)