JMM最新号

春具さんの『オランダ・ハーグより』第104回「宗教の諸相」より:

 ところで、わたくしはいつも思うのですが、西洋のマナーの本を広げると、ほとんどがディナーの席では政治や宗教や猥談をしないようにと書かれておりますね。わたくしはあれが長いこと不思議でならなかった。
 政治信条や宗教的見解について話さなくて、なんで相手のことがわかるのだろう。猥談だって話し方聞き方次第では人間の品位がでて、思いがけない発見をすることがある。デリケートなテーマをユーモアやジョークを交えて語らうのには、饗宴の席がいちばんだとは思いませんか。そして歴史を遡るならば、ローマ人やギリシャ人たちは宴席で宗教や哲学や文学やロゴスやポリティックスを喧喧諤諤と楽しんできたのではなかったか。
 そういう絶好の機会を避けてきたのが西洋のマナーであり、それはマナーであるよりも偽善、あるいは怠惰であったとわたくしは考えるのですが、いかがでありましょう。そしてその怠惰と偽善のツケがいまきているのだと考えるのは、考えすぎでありましょうか。
 拙宅にお客がみえるときに話題の制限はない。テロリズムだろうがエイズだろうが気候温暖化だろうが貧困だろうが化学兵器だろうが、国際機関、つまりわたくしどもが日常扱っている問題は全てオッケーであります。

主張自体は同感だが、「政治や宗教の話題がタブー」なのは西洋一般ではなくてアメリカ合衆国だけなんじゃないの?日本では西洋=アメリカ合衆国という時代が長かったから誤解してるだけで。*1
ここには書いてないが今でも折々に飲み会はしてるんだけど、どこの国の人と飲むにせよ*2(飲まない人もいるがこっちは飲む、というのは春具さん同様であるw)、むしろ政治や宗教の話題こそが一番盛り上がるんだけど。(盛り上がりすぎるときもあるがw)
そのへんどうなんでっしゃろ。
そういえば「アメリカンにとっては宗教や政治の話はタブーらしいがなんでなんだ?」「さぁ」「だからあんなロクでもない政治しか持てないんだ」とかいう話になったこともあるなw
ちなみに日本も他の国と比べると宗教や政治の話題はタブーっぽいと思う。だから(略)



追記:

アメリカに住んでいますが、アメリカ人も宗教・政治の話しは好きですよ。昼食時の話題にもよくのぼります。

とのツッコミあり。えーっとそうすっとよく聞く「西洋のマナー」ってのはいったい何処のことなんでしょうかw
まー住んでた友達に聞くと、自由に価値を置いてて多様性の大きな社会だから接する社会集団によって何でもあまりに違うので「アメリカ人」とかいってひとくくりにするのは全く意味なしという事みたいだけど、それで人によって話が違うんですかね。あとそれともちょっと関係するかもしらんが、コメント欄で「極端」っていったのは例えばこういう点ね。
ちなみに反ブッシュは「ヨーロッパの」に限らずアジア南米含めて全世界的なのでは(アフリカは知らんけど)。あっしがここ数年あった人々の中でプロブッシュの人はひねくれ者の現上司ただ一人だけでございます。
「ブッシュひどいね」とかその辺の話題ってある種、あんまり親しくない人とちょっと親密な話がしたいとき誰が相手でもオッケーな芸のない安全牌といった感すらあるんですがどうでしょうか(例えば日本の新幹線でたまたま隣り合わせたガイジンと、とかでも)。*3まー未来の歴史がブッシュ氏をどう評するかは知りませんよ。でもあんだけ傲慢で筋の通らない事をして同時代のよその国の庶民(含僕)から好かれると思う方がどうかしてるってのは、現時点でも言えるんじゃないでしょうか。


*1:いやでもカナダの人に「政治や宗教はタブーなのか?」と聞いたこともあったがカナダもわりとそうみたいだったな。北米限定?ちなみにその子に「なんでそうなんだろうか?」と聞いたら「最初みんな移民で相手がどんな人間かも分からない環境だったからではなかろうか」と答えてくれた。それだけじゃあまりに図式的にすぎるような気もするが。メキシコはどうなんだろうか。こんど飲むときに聞いてみよう。

*2:物理屋だけに限定してもぱっと思いつくだけでドイツ人をはじめとして(大体)近い順にイタリア人、フランス人、スペイン人、クロアチア人、イングランド人、スコットランド人(UK国籍)、ギリシャ人、ウクライナ人、ロシア人、メキシコ人、キューバ人、イラン人、インド人、ウイグル人(中国国籍)、台湾人、韓国人といろんな国の人がいた。

*3:あと僕が話した範囲では中南米人なんてみなさん反ブッシュ以前に超反米。(合衆国の非道を何十年も目の当たりにしてますからね。)未だにゲバラとかがアイコンだったりw(逆にアンビバレントな憧れもあるようだが。)