最近

ハーバードの弦理論屋さんのブログを楽しみに読んでたんだが(弦理論の論文の紹介とループ量子重力への批判*1が面白い)、イラクの選挙についての記事はちょっとポカーン( ゜Д゜)というか、なんかこう一見ちゃんと取り上げてるようでぶっちゃけまるっきりどうでもいいという無責任さが行間から滲み出るような文章で(なんかよく知りもしないのにやたらこっちはイイモノこっちはワルモノって色分けしたり、選挙さえすりゃオッケーって思えたりという単細胞さはいったいなんなんでしょうか。アメリカ型「民主主義」を導入してアレになってるフィリピンや中南米からはあえて目を背けてるんですかね)、しかも「イラクの殺人者を擁護する」コメント(削除されてるので読めないけど)に対して「コミュニスト」とレッテルを貼って非難する思考停止ぶりで(※いうまでもなくシューキョーとコミュニズムは相性が悪くて、冷戦中はアメリカはソ連に対してアルカイーダと共闘してたわけだが)「あれ?この人って馬鹿ではないと思ってたんだが」とちょっとがっかりしたんだが、その後「ベトナムの選挙に励まされる合衆国 ニューヨークタイムズ1967」という記事のコピペに対する煽りに対する対応をみて、ちゃんとまっとうな人っぽいなとちょっと安心。
いやここまではどうでもよくて、その1967年の「ようやく南ベトナムでまともな選挙が行われて、ベトコンのテロの脅迫にもかかわらずこんなに多くの投票があった」という記事、今回のイラクの選挙についての記事達とあわせてよむとあまりに同じリクツが横溢していてむっちゃ面白いのでぜひ読んでみてくださいな、という紹介が主題なのであった→U.S. Encouraged by Vietnam Vote [in case you haven't been keeping up with developments in Vietnam from 40 years ago...]
下手糞だがヘッドラインだけ試訳してみる:

ベトナムの選挙に勇気づけられる合衆国:
ベトコンのテロにもかかわらず83%の投票率
ピーター グロセによるニューヨークタイムスへの特報 (9/4/1967: p. 2)
ワシントン 9月3日― 合衆国政府筋は、ベトコンによる選挙妨害テロリストキャンペーンにもかかわらず南ベトナムの大統領選挙に多くの投票があった事に、驚きの気持ちと心暖まる思いでいっぱい。
サイゴンからの報告によると、昨日585万人の登録者のうちの83パーセントが投票を行った。多くはベトコンによる報復の脅迫にさらされていた。
投票者の多さ、ベトコンが選挙制度を破壊することができなかった事、これらが、ここに集まった不完全な情報をもとにした予備的な調査において、顕著な二つの事実であった。
(以下リンク先を参照の事)

個人的にはどっちかというとこんなコラムに同感。(言われてみれば、戦争に勝てば大丈夫、サダムを捕まえれば大丈夫、主権を委譲すれば大丈夫、選挙をすれば大丈夫とズルズル来てますね。僕もアホなのでサダムフセインが捕まったときは「おおこれで占領がうまくいくのか、アメリカおそるべし」とか思ったもんだw→参照


*1:この批判のいくつかは弦の行列模型にも当てはまると思うんだけど、京都やKEKで行列模型やってるひとは、例えばここで取り上げられてる論文についてはどう考えているのか興味がある。