そろそろウェブにも復帰

 帰ってきましたよ。
 やはり祖国というのはよいものですな。醜く電柱が立ち並び蜘蛛の巣のように電線が張り巡らされたゴミゴミした街並みさえもが愛おしい。成田辺りの田舎の風景、あれはあれでなかなかに美しいものではありませんか。
 いやーでもその後の電車の高架から見る、地平線の向こうまで見渡すかぎり低層住宅がびっしりと蝟集した、完全なる都市計画の破綻あるいはそもそもの不在を物語る光景には頭がクラクラしましたが。こんだけ細切れに土地を分配しちゃったらもう何百年経ってもまともな都市計画は不可能なんじゃないか。日本あるいは東京に土地が足りないなんて大嘘だよね。ちゃんと使ってないだけ。繰り返しになるが建築とか都市計画とかそのへんはアメリカ型じゃなくて欧州型を目指していただきたい。

 理研では研究費は年130万円なんにでも使えるそうな。素晴らしい。多田さんに
「税金なんだから、どうすればサイエンスに一番貢献できるかを考えて使ってください。外からは分からないようでもどう使ったかというのは見られているものです。自分でミニ研究会を主催するとか人を呼ぶとか色々アイデアを絞ってコミュニティ*1にも還元してください。利己的に使う人ばかりになったらそんな集団は道●公団と一緒です。潰れた方がマシです」
 との御言葉を頂く。ミニ研究会いいね。だいたい完全に自分の仕事の興味で人を呼べるのは利己的に考えてもいい。(^^; 院生への旅費の補助とかなしなら20〜30万円ぐらいでできるらしい。
 川合さんからは
「この職は待遇がよすぎてまともに社会復帰できなくなる(=次の職を得られなくなる)恐れがあるので、ちゃんと社会復帰できるよう研究費の配分をよく考えて自分を売り込んでください。」
 と同じことを違う言葉でいわれるw 総じて、これで3年間好きな研究ができるとか思わずにどんどん自分を高めてがんがん売り込んでとっとと出て行きなさい、というかんじ。
 ちなみに待遇がいいといっても税引前年収600万ぐらいだ。同世代の日本で働いてる物理屋では一番高いと思うが(アメリカは有名になれば若くてもどんどん高い給料を出すので別だ)、おくさんにいい給料だといったら「33にもなって年600万でしかも任期付きで何いってるの」とブチ切れられたw つい「好きな研究をした上に給料までもらえるなんて」という科学者基準で考えてしまうがアレですな。

 とこのへんまでがわりと帰ってすぐ書いた部分。以下今書く。
 理研の研究本館は廊下が「どこの倉庫ですか?」といった日本標準的建築仕様なのはあれだが、一人当たりのスペースは悪くはない。といっても一部屋6人とかだが。(僕の部屋は4人。)んで日本は文房具(特にホチキス!)が充実してるのがいいな。
 まそのへんはどうでもいいや。明日は理研の一般公開。川合理論物理学研究室というところで9:30から12:30まで解説要員を担当。腱鞘炎で右手にギプスみたいのをしてるのが私だ。リピーターもいるぐらいのなかなかのイベントらしいのでお暇でしたら是非。
 来週水曜は東大駒場セミナーにおよばれ。個人的には色々と感慨深いものがある。がんばって準備をせねば。


*1:余談だが物理屋は実際はソサイアティであるものをコミュニティであるふりをしたがる傾向がある。僕も含めて。物理という学問に内在的な何かがあるのかもしれない。