松本和子教授(早稲田大学理工学部化学科)の研究費不正使用問題

これは書かねば、と思ってたんだがなんかもうみなさん書いちゃってる(柳田充弘さんとか矢原徹一さんとかスラドの面々とか)が、やっぱり書く。いや完全にアウトサイダーなので内部情報はないけど。
 まず研究費900万円を投資信託で運用してたとか何千万円を自分の会社に架空請求させる、というのはまったくもって言語道断でありえないよね?どうなってんだ?私大だからなのか化学という分野が腐ってるのか知らんが、少なくとも国公立大学の教授なら懲戒免職でもおかしくないと思う。何億円の大金が、それを研究で回して成果をあげるだけの器のない人間に流れていたことが問題ではないか。内部外部のチェック機構はどうなっておるのだ。
 で、裏金作りに関しては同情できなくない点もなくはない(もってまわってみたw)。どういう事かというと以下の通り。
 まずこれが10年前だったら日本中のまともに研究してる全ての研究室で研究費をプールしてました。これはもう検察や警察が裏金をプールしてた(る?)のより真っ当な理由で、やらないと仕事にならないから。やんないと研究にならない状況だった。学生さんが学会発表に行くときの旅費も、事務仕事をさばく秘書さんを雇う金も、何もかも正規の研究費では出せなかった。
 前も書いたが日本は法治国家ではないので、大学教授にも他の日本人同様、「全員が法律を厳守する事がハナから想定されてない状況でどこまでならやってもセーフなのか」というまわりの空気を読む能力が要求されてた訳ですな。嫌だ嫌だ。
 ただ、これも流れが変わってきてて、例えば上で書いたような場合についてもちゃんと研究費でだせるようになった結果、今では裏金をプールしてる研究室はほとんど無くなったそうです。松本教授のニュースが出たときに「でも裏金作りは日本中でやってんでしょ?」と聞いたら「いや今ではどこもまったくやってない」と、今ではなんでも正規に金を出せるように変わってきてると聞いてびっくりした。浦島太郎状態w
 これについては本当に、文科省グッジョブ!ではないでしょうか。やればできるじゃないか、と。研究費が潤沢になったのと併せて、使途を明確にできるようにきちんと制度を整えてきてくれた訳です。それにもかかわらず、ちゃんと研究する上で「不正」をする必要*1がなくなったのにも関わらずそれをやってしまうようなモラルの低い人が、なんで総合科学技術会議の議員とかになってんだ、というのはもし日本にもジャーナリストがいたらきちんと取材してほしい。なんでなんだろう?とても知りたい。


*1:ここで「不正」といってるのは裏金をプールすること自体ですよ、最初に書いたとおり、投資信託で運用だの民間会社に架空請求させるだのは10年前でももちろん言語道断でそういう意味でも酷い話だ。10年前も「プールするのは仕方がないが、公になってもきちんと申し開きができる形でしか決して使ってはいけない」ということは厳に言われていた。